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仙台高等裁判所 昭和31年(ラ)36号 決定 1957年12月27日

抗告人 大井強三(仮名)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

記録中の審判書原本における欄外記載によれば原裁判所書記官補貝山秀正が昭和三一年五月二五日謄本送達の方法で前記審判を申立人抗告人に告知した旨の記載があり、非訟事件手続法一八条によれば裁判の告知は相当と認められる方法を以てせばよいのであるから右の方法で為された原裁判の告知は相当と認むべきである。尤も記録によれば同年六月一三日申立代理人谷正に対し審判書謄本が送達されて居り抗告はその翌一四日に為されているが既に審判の日に適法な告知が為されている以上抗告期間は直に進行し右抗告以前法定二週間が経過し去つたもので抗告は不適法たるを免れない。

かりに原裁判所は前記の審判書欄外記載の告知にかしがあるとして改めて前記のように代理人に告知のし直しをしたもので、従つて抗告が適法であるとしても、当裁判所もまた原審判が説明しているのと同一の理由で本件準禁治産の宣告を取消すべき理由がないものと認める。

よつて抗告は理由のないものとして主文の通り決定する。

(裁判長裁判官 板垣市太郎 裁判官 上野正秋 裁判官 兼範義春)

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